有隣堂藤沢店スタッフの皆さんによる、特集企画です。店内に豊富に並ぶ文庫、ビジネス、絵本など様々なジャンルから、同店ならではのイチオシの書籍をご紹介いただきます。
今回ご紹介の逸冊は、
第163回 芥川賞受賞作 『破局』 遠野遥 河出書房新社
初の平成生まれの芥川賞受賞作家は、藤沢の大庭出身!
今年一番の収穫というか、この状況で書店業界をハッとさせたのは、
何と言っても初の平成生まれの芥川賞受賞作家が、藤沢の大庭出身だということ!
快挙です!藤沢、万歳!
もともと、芥川賞というのは、書店員の私でも結構ハードルが高いもので、
純文学の香りをプンプンと漂わせているものの、難解な言い回し、意味不明な展開、
本当に読み進めていくうちにいくつもの疑問符で頭の中がいっぱいになります。
しかし、文学界では、権威のある賞ですよね。
それでも、読まねばならぬのか。芥川賞よ。
今回の作品は、二人の女友達の間で揺れ動く、ラグビー好きの青年のお話。
なんとなく、学生から社会人へ、それなりの青春を送っていたはずが、
やがて、律していたものが徐々に崩れ落ちていき、自らの弱さを知り、破局へと。
淡々と主人公の目を通して語られる日常が、これって、遠野遥先生のリア充?
なんてことはないかと思わせてくれるところも随所に見受けられました。
藤沢市民のみなさん!この“28才の鬼才が放つ新時代の虚無”ってヤツに、
一度、溺れてみましょう。
藤沢発の芥川賞、一読の価値はあります。
私は文章がなんとなくこってりしていて、そこが好きでした。
*
【aicco編集部より】
遠野遥さんはなんとデビュー2作目での芥川賞受賞!!
デビュー作の「改良」も第56回 文藝賞を受賞しています。
合わせて読みたいです!
「有隣堂藤沢店スタッフの今月の逸冊」これまでの記事はこちら
(クリックするとそれぞれの記事へジャンプします)
① 「魔法使いと副店長」はこちら
② 「神奈川の記憶」はこちら
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