circle

circle

circle

circle

circle

#イベント #カルチャー #グルメ #地元ニュース

お庭に果物のなる木、ありませんか?

2025.05.08 注目

未利用フルーツで、人と人のつながりの輪を作る
「湘南のきさきフルーツプロジェクト」って?

軒先でとれた、見事な夏ミカン(写真/湘南のきさきフルーツプロジェクト)

突然ですが、お庭にフルーツのなる樹、ありますか?
たくさん実った果実が、収穫されることなく、落っこちて腐ってしまったなんてことも、よくあるみたいで…。
そんな未活用フルーツを生かして地域貢献ができる。「湘南のきさきフルーツプロジェクト(のきフル)」の、運営団体のひとつ、「話せるシェア本屋とまり木」をたずねました

茅ヶ崎駅から歩いて15分ほど。通り沿いにある、もと中華料理店のレトロな佇まいの「話せるシェア本屋とまり木」では、本が好きな人たちが店内の本棚のひと区画を借りて、とてもちっちゃなシェア本屋を開いています。

とまり木店内のシェア本棚。並んでいる本を見るだけでも楽しい

店主で「のきフル」チームの一人、大西裕太さん(通称ジミーさん)がお話ししてくれました。
「茅ヶ崎駅前にもとあった『チガラボ』というコワーキングスペースが発端で、ここに集まった人たちが最近気になったことを話したのが始まりです。『隣のお庭に植っている夏ミカンが誰にも収穫されずに落ちて腐っている。何か活用できないかな』と」。
それが2023年の春ころ。その話をもとに、「新しい自治をつくる」をテーマに「チガラボ」メンバーが企画をまとめその秋にスタート。ちなみに、「チガラボ」、現在は発展的解消していますが、その精神は「とまり木」と「のきフル」に受け継がれているそうです。
「のきフル」の活動内容とは。庭先にある果樹から余っているフルーツを収穫・有効活用する中で地域のつながりを作っていくことを目指しています。活動メンバーは収穫、キッチン(加工・調理)などの役割を担い、地域の学校とコラボして果実を使ったアイテム作り等も行う。果実を提供してくれた果樹のオーナーさんには、加工品や別の果実を贈ってお返しする…。事業というよりは、コミュニティ活動のようで、なんだか楽しそう。

「発足当時、果樹が庭にある人が身近にあまりおらず、知り合いの知り合いを辿って、果樹オーナーとのつながりを広めていきました。スタートして1年半あまり、これまでこのプロジェクトに参加してくれた人は260人以上に。リモートによる説明会も行って新しい参加者も増えています。ここ『とまり木』にも『のきフル』について問合せに来る人も結構いますね」
茅ヶ崎市内では、果樹のある庭を持つ家が次々にコンクリートで固められた土のない家に建て替えられていろとか。果樹のある街並みの風景を残していくことを目指して、「のきフル」をどんどん広げていきたい、とジミーさん。

防災パン作りの様子

「とまり木」訪問から数日後、茅ヶ崎市内で行われた「のきフル」活動の一つ、「果汁を活用した防災パン作り」の会を拝見しました。
講師のゆきさんは「簡単に手に入る美味しい幸せをお伝えするパン講師」米粉パン作りのワークショップを数々開催されています。この日は防災パンということで、電気を使わず、洗い物もなし。水の代わりに夏ミカン果汁を使い、カセットコンロで焼きます。使用する夏ミカンは、もちろん「のきフル」で果樹オーナーから提供されたものです。

参加者はパンを作ったことがある人もない人も、ちょっと変わった生地作りに奮闘。でもこれ、手も汚れず洗い物も出ない、優れたやり方でした! 夏場なら放っておけば短時間で発酵しますが、この日はぬるま湯に入れて発酵促進させました。

思い思いの形の記事が、プライパンでこんがり

発酵完了したら、生地を整形。凝った形状のもありますが、果たして焼き上がりは? フライパンにアルミシートを敷き蓋をして弱火で両面を焼きます。ちょっと焦げ目もついて美味しそう。できたては温かくて柑橘系の香りがさわやか。参加者の皆さん、自作パンの出来映えにご満悦の様子でした。
「小学校にも防災パンの講師としてお声がかかることもありますが、普通使うのは水。でも災害時に庭の果樹が貴重な水の代わりに使えたらいいですね。果汁が多い果物なら何でも使えます。災害時、温かい焼きたてをみんなで作って食べられればうれしいと思います」と、ゆきさん。

焼き上がったパンを手に、防災パン作り参加の皆さん。右端がゆきさん、右奥がジミーさん

軒先のフルーツを通じて、地元の人たちと広く繋がっている「のきフル」ですが、ジミーさんは生まれも育ちも茅ヶ崎ながら、都内勤務していた30歳過ぎまで地元にはほとんど関心がなかったそうです。
「家には寝に帰るだけ、遊びに行くのは横浜や自然のあるところ。でも転職で地元にいる時間が増えたことで目が向くことに。『チガラボ』や『のきフル』を一緒に行っている仲間など、他方から移住してきた人たちにが、茅ヶ崎の良さを気づかさせてくれたことも大きいですね」
「のきフル」の取り組みを、藤沢市や湘南エリアでもさらに繋げていきたいとのこと。お庭に果樹のある人も、そうでない人も、ちょっと覗いてみてください。

湘南のきさきフルーツプロジェクトHP
https://nokifuru.studio.site/

話せるシェア本屋とまり木HP
https://www.sharebooks-tomarigi.com

5月31日(土) 10:00~11:30 【プロジェクト説明会】 今回は、藤沢本町駅近くで開催予定です。
イベントページ
https://www.instagram.com/p/DI8xHAaST7a/?igsh=NWxpOTNxeGZ5Nmcy

RECOMMEND

あわせて読みたい編集部おすすめ記事

  • お庭に果物のなる木、ありませんか?

    お庭に果物のなる木、ありませんか?

    2025.05.08

  • 江の島アートフェスティバル、6月1日まで開催

    江の島アートフェスティバル、6月1日まで開催

    2025.05.06

  • 【Junko Muneto 私の本棚から】「子どものこころのつぶやき絵本」㉘

    【Junko Muneto 私の本棚から】「子どものこころのつぶやき絵本」㉘

    2025.04.26

  • 野菜足りてる? ベジレベル測定会、わいわい市藤沢店で5月9日に

    野菜足りてる? ベジレベル測定会、わいわい市藤沢店で5月9日に

    2025.04.24