キッチンカーでフードリボン形式のキーマカレー提供
「こどもたちの居場所を作る」

aiccoもよく訪れるJAさがみの直売所、わいわい市藤沢店では、季節の野菜がたくさん並び賑わっています。このところ、野菜の値段が安定してホッとしますね。
その裏手、野菜や花の苗が並んだ先もテントに、定期的に出店しているメダカやさん、今年でわいわい市藤沢店に出店して10年目、お店のお客さんにもお馴染みで、常連さんもたくさん。新しいメダカを購入したり、飼育相談をするお客さんも多いようです。

メダカやさんこと北代康行さんは、メダカ販売の傍ら、これまでも、生産者の方の提供する野菜と一緒に、食材や、文房具、おもちゃなどを子ども食堂や児童施設に提供してきました。
「メダカの売り上げの一部をそれに当てることもありますが、お店に来た人が子どもたちにと、たくさんのものを寄付してくださるんです。そんなこともあり、新しい子どもたちへのサポートを始めようと、構想を練っていました」
それがキッチンカー「いこい食堂」。わいわい市藤沢店でも5月にお目見えしましたが、本当の目的は、子どもたちへのサポート。子ども食堂開設も念頭に場所探しもしていましたが、6月22日（日）11：30〜14：30に、わいわい市近くの六会にある「桐山プロパン商会（藤沢市亀井野2-12-6）」の駐車場をお借りし、キッチンカーでの展開をスタートすることになりました。

メニューは、子ども向けにスパイス控えめのキーマカレー。「フードリボン」方式で、子どもへの提供も行います。フードリボンとは、子ども食堂のフードリボン活動加盟店ごとに、事前にお店に来た人がリボンを購入し先払いすることで、子どもたちに食事を提供するプロジェクト。これを参考にいこい食堂では、メダカのフードストラップを大人が事前購入することで、子どもたちに110円で1食分を提供します。協力いただいた方にはメダカもプレゼント。
今回登場のキッチンカーは、これまで使っていた事業用の車を、知り合いの大工さんにボランティアで改装してもらったそうです。厨房を手伝ってくれるスタッフなど、いろんな人のサポート、協力も得られています。
桐山プロパン商会では、市内各地で移動子ども食堂を展開する「長後こども食堂」も、毎月第3月曜日（17：00〜19：00）にこども食堂をオープンしているようです。

子ども食堂とは、経済的な理由などで、家庭で十分な食事をとることが難しい子どもたちに対し、無料または低額で食事を提供する場所。神奈川こども食堂・地域食堂ネットワークの令和6年の調査資料を見ると、神奈川県内では594カ所が調査対象とされているようです。子ども無料大人有料の形を取るところが多くなってきており、食事だけでなく大人も含めてコミュニティ形成や交流の場となっているところも増えているようです。

「まず手始めに桐山プロパン商会さんでの出店を続けます。寒い季節には直売所の野菜を使って、おでんとか豚汁の炊き出しなんかもやりたいですね。並行して、実店舗の子ども食堂も開きたいと思っていて、開店場所を探しているところです。
子どもたちへの支援は、私たちだけでは十分できるものではないので、これまで通り、客さんたちの協力も仰いでいきたいですし、キッチンカーの活動を機に、地元企業などからの協賛を募っていくつもりです」と北代さん。

地元の藤沢市六会で生まれ育った北代さん、若い頃はVシネマ（劇場でなくビデオ専門の映画）制作に関わり、いろんな監督、俳優さんなどと、多様なテーマへの取り組みを通して、さまざまな社会的問題も目の当たりにしてきたといます。
「あと2年で私も60歳になりますが、私たちの時代にはまだ『共助』の考え方があって、子どもたちにも居場所があった。近所にはうるさいおじさん、おばさんがいて、悪いことをすると怒られた。でも時代が変わって今それやったらハラスメントだと。
子どもたちには今『子ども食堂』のようなところしか、場所がなくなってしまったと思いますね。きちんと教わることもなくなったので、おかしなミスや事故が起きたりする。でも私が80歳になったら、いまの子どもたちの世話にならなきゃならないんだから」
子ども食堂なんていらない社会が本当はいいのだけれど、みんなの居場所を作って、うるさいおじさんになるのだという北代さん。機会があったら一度「いこい食堂」を覗いてみて。

いこい食堂へのご支援、お問い合わせは、北代さんまで
携帯：090-1997-7774

長後子ども食堂
https://kotorino-ouchi.com/dining.html

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