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#スポーツ #ライフスタイル #地元ニュース #藤沢市 情報

自転車のワクワクを、多くの人に知ってほしい

2026.08.24 注目

江の島の洗車ショップ・石井店長は、パラメダリスト
少年のころの「大好き」がずっと続いて

江ノ電江ノ島駅からすぐ、線路が路面を通る龍口寺前交差点、斜向かいの角に「SENSHA」の看板。自転車の洗車専門店です。
「普通の自転車でも、定期的に洗車して整備しておけば、常に安全に快適に乗ることができますし、不備も早めに発見できます。特に海が近くにある場所では塩害でサビが出やすいですから」
店長の石井雅史さん(54歳)は、錆びた自転車のチェーンを見せながら言います。2008年北京パラリンピックの自転車競技で金を含む3つのメダル獲得など活躍した、パラアスリート。一旦引退表明をするも、改めてマスターズ競技会での復帰を目指しているそうです。
小さいころから自転車大好き、藤嶺学園藤沢高校卒業後、日本競輪学校をへて競輪選手として活動しましたが、練習中の交通事故で重傷を負ってしまいます。リハビリで再び乗れるようになるも、高次脳機能障害のために競輪選手としての活動が不可能に。それでも自転車への思いは断てず、周囲からの紹介もあって、パラサイクリングに取り組むようになったそうです。
藤沢市みらい創造財団スポーツ事業課にも所属し、週1回秩父宮記念体育館で勤務する傍ら、自転車に関する相談に乗ったり、小学校や市民対象の交通安全教室の講師も務めています。

錆びたチェーンでは快適に乗れません(左)、店内の様子(右)

4月に改正された道路交通法で、自転車の取り締まりが厳しくなり、違反者は「青切符」を切られて反則金を支払うことに。走行場所の厳格化やヘルメット着用の努力義務化など、なにやら自転車に乗ることが難しくなった…?
「私自身、自転車で大きな怪我を負ったこともありますが、自転車も車の一種。危険も伴うことを認識して、安全に乗って欲しいです。今度の法改正でいきなり車道を走らなければいけなくなったのではなく、これまでの規定をより厳格にするものです。道路の左側を走って停止線ではしっかり止まる、自動車と一緒に流れに乗って走行するだけで、リスクは減ります。さらにヘルメットをしっかり被ることで、安全意識も高まるでしょう」
身近で生活の一部にもなっている自転車のこと、もっと知って親しんで欲しいと石井さん。お客様の大切な自転車をメンテナンスする、洗車という生業は、自分の天職だと言います。洗いながらこの自転車をどう乗ってもらうか、を考えるのが楽しい。このワクワク感をお客さんに提供したい。

始まりはサイクリングから。高校時代から競技を始めましたが、とにかく乗ることが好きだった。競輪時代は練習の乗り込みで1日に200kmを走ることもありました。
事故からリハビリ病院に入院した時も、ベッド横に自転車を持ち込んでいました。
「乗れなくても触れているだけで気が楽になるんです。この自転車に乗るために、リハビリをがんばるんだと。自転車選手に怪我はつきもの。そこから復活する人もいれば車椅子生活になる人もいます。でも自転車が悪いわけではないし、私の場合、逆に自転車に救われた部分が大きいですね」

北京パラリンピックでのメダル

エコが叫ばれコロナ禍を経て、自転車に乗る人は増えているようです。一歩ペダルを踏み込めば、自由になれる。自分の力だけでどんなに遠くにも行けて、見たことのない景色が見える。今でも晴れた日に、きちんと整備した自分の自転車で走るのが楽しいと言います。
「今日はどこまで行こうかなー、という感じで。多くの人にそんな自由を体験して欲しいですね」
でも、本格的に乗ったり、イベントに参加するのにはハードルが高い?
「ロードレーサーでなくても、サイクリング車でいいんです。まずは仲間を作って乗るのがいいですね。そのためにツーリングクラブを持つサイクルショップに行くことがお勧め。藤沢市内にもクラブを持っているプロショップがいくつかあります」
仲間と一緒に走ることで道路状況の見方とか、手信号、車とのコンタクトの仕方を走りながら覚えられると言います。さらに慣れてきたらイベント出場も。
周回コースを一定時間内に周回する「サイクルエンデューロ」や閉鎖した1〜2kmのコースをぐるぐる回る「クリテリウム」、ひたすら坂を登る「ヒルクライム」などが、初心者でも出場しやすいとのこと。大磯プリンスホテルの駐車場を閉鎖して月1回行われている「大磯クリテリウム」は、幼児から参加できるバンビーノから初心者、上級者まで様々な方が参加できるクラスがあり、人気のイベントです。
「競技時代の先輩が開催しているレクリエーションイベント『ツール・ド・のと400』は、3日間かけて能登半島を1周するもので、呼ばれて3回ほど行きましたが、エイドの食事や現地フタッフとの交流など、地域を楽しめるものです。能登震災後、コースは途中までしか行けなくなりましたが、被災した方も玄関口まで出てきて応援してくれる。逆にこちらが元気をもらって帰ってきました」。生活し続ける大切さを教わったと言います。

毎週火曜日午前中は、体育館のジム受付にいます

「競技をやっていた仲間は、今でも自転車に乗り続けている人が多いですんね。自分も走り続けていることで、『やっぱり自転車っていいよな』って、同期会でも盛り上がります」。
原点であるサイクリング当時、テントを積んで伊豆を回ったことも。その45年前の愛車のフレームは、今でも通勤に使っているそうです。
「それに乗ると、そのころのワクワク感が蘇ってきますよ。昔の鉄フレームの自転車は、タイヤ、ワイヤーなどの消耗品を取り替えれば長く乗れる。究極のエコだと思います」。
大切に扱えばずっと付き合える道具とともに、自転車は年齢を重ねても生涯楽しむことができるスポーツです、と石井さん。乗っている人も、これからやってみたいと思った人も、石井さんのお店を訪ねてみては。

<SENSHA Bicycle 湘南>
藤沢市片瀬海岸1-6-9
通常営業時間 10:00~18:00
定休日:火曜日、水曜日
TEL:080-6082-5127
作業中の場合、お電話にでられない場合があります。

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